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福岡・春吉「HOTEL NID」完成|FF&E工事を終え、10月8日グランドオープン

10月6日
読了時間: 6分

福岡市中央区春吉で設計監理に携わってきた「春吉HOTEL PROJECT」。

前回の記事では、建築工事が無事に竣工を迎え、その後FF&E工事へと進んでいく様子をご紹介しました。

その後、家具・什器・照明・カーテン・アート・備品などの設置が進み、ホテルとしての空間が完成しました。

9月末にはプレオープンが行われ、そして2026年10月8日、「HOTEL NID」としてグランドオープンを迎えます。

設計から工事監理まで長く携わってきた建物が、実際に宿泊される方を迎える場所として動き始めます。



福岡市春吉HOTEL NID最上階PENTHOUSEのベッドルームと大開口
HOTEL NID PENTHOUSE:階高4.5mと大きな開口部を活かした、最上階72㎡のPENTHOUSE。

建築の完成から、「滞在する空間」の完成へ

今回FF&E工事が完了し、客室にはベッドやソファ、テーブル、照明、カーテンなどが配置されました。

建築として計画してきた床・壁・天井や開口部と、家具や什器が組み合わさることで、空間全体のスケール感や居心地も大きく変化します。

建物が完成したときとはまた違った意味で、今回ようやく「HOTEL NIDという空間が完成した」と感じています。


HOTEL NID客室のベッドと窓際ソファ
HOTEL NID 客室:木の素材と落ち着いた色彩でまとめたHOTEL NIDの客室。
HOTEL NID 客室の窓際L型ソファと春吉の眺望
HOTEL NID 客室:窓辺をひとつの居場所として計画したソファスペース。
HOTEL NID客室のベッドに用意された館内着


木の素材と落ち着いた色彩で整えた客室

客室は、木の素材を中心に、ベージュやグレーなどの落ち着いた色調でまとめています。

ベッド背面には木の表情を活かした壁面を設け、間接照明やペンダント照明によって素材の陰影が感じられるようにしています。

大きな窓から入る自然光と、夕方から夜にかけての温かな照明。

時間によって客室の表情が変化することも、このホテルで大切にした要素のひとつです。

ホテルは、昼間だけではなく、夕方から夜、そして朝まで長い時間を過ごす場所です。

そのため照明についても、単に室内を明るくするための設備として考えるのではなく、宿泊される方が落ち着いて過ごせる雰囲気をつくる要素として計画しました。

特にベッドまわりでは、木の質感と柔らかな光が自然につながるよう、照明の位置や高さにも配慮しています。


HOTEL NID客室の木製ヘッドボードとペンダント照明
HOTEL NID 客室:ベッド木製ヘッドボードと温かな照明で構成したベッドスペース。

HOTEL NID夜の客室とベッドルーム照明
HOTEL NID 客室:温かな照明によって、日中とは異なる表情を見せる客室。

最上階のPENTHOUSE

最上階には、72㎡のPENTHOUSEを計画しました。

階高4.5mという建物の特性を活かし、客室専用のサウナとテラスを備えた、開放感のある客室としています。

大きな開口部から春吉の街並みを取り込みながら、ベッドスペース、リビング、窓辺のソファ、テラスがひと続きに感じられるよう、視線の抜けや家具配置にも配慮しました。

窓は単に採光のための開口部として考えるのではなく、その窓辺自体をひとつの居場所として使えるよう計画しています。

ベッドで休む。ソファに座る。外の景色を眺める。テラスへ出る。

客室の中にいくつかの過ごし方をつくることで、広さだけではなく、滞在そのものにゆとりを感じられる空間を目指しました。

また、大きな窓から街へ視線が抜けることで、室内にさらに奥行きと広がりが生まれることも意識しています。


HOTEL NID PENTHOUSEのリビングとテラス
HOTEL NID PENTHOUSE リビング:リビングからテラス、春吉の街並みへと視線がつながるPENTHOUSE。
HOTEL NID PENTHOUSE入口のサインとアート
HOTEL NID PENTHOUSE サイン:PENTHOUSEへとつながる空間に設けたサインとアート。

水まわりも客室の世界観につなげる

洗面スペースについても、客室とは切り離された単なる設備空間にならないよう計画しました。

石調の素材をベースに、木質の家具やブラックの水栓などを組み合わせ、客室から続く落ち着いた色調でまとめています。

鏡まわりには照明を組み込み、素材表面の凹凸や質感が柔らかく浮かび上がるようにしています。

ホテルでは、洗面や浴室を使用する時間も宿泊体験の一部です。

そのため、機能性や清掃性を確保することはもちろん、客室から洗面スペースへ移動したときにも空間の雰囲気が途切れないことを意識しました。

写真のように照明が入ることで、石調の仕上げや木部の表情もよりはっきりと感じられる空間になっています。


HOTEL NID PENTHOUSEの石調仕上げと木製洗面カウンター
HOTEL NID PENTHOUSE 洗面
HOTEL NID客室の洗面台と木製デザインミラー
HOTEL NID 客室 洗面

1階「NID CAFE」も完成

1階には「NID CAFE」を計画しています。

カフェスペースにも家具や厨房機器、什器が入り、実際に利用される空間として完成しました。

赤褐色のタイルや木、ステンレスなど、異なる質感の素材を組み合わせながら、ホテル全体の落ち着いた雰囲気とのつながりを意識しています。

客室とは異なり、カフェには人の動きや料理、器など、さまざまな色や要素が加わります。

そのため内装自体を過度に主張させるのではなく、料理や人の動きが加わったときに空間として完成するよう、素材や色のバランスを整えています。

宿泊される方の朝食の場としてだけでなく、春吉を訪れる方にも利用していただくことで、ホテルと街をつなぐ場所になっていけばと思います。


福岡市春吉HOTEL NIDのNID CAFEとビュッフェカウンター
HOTEL NID NID CAFE:家具・厨房機器・什器が入り完成した1階NID CAFE。

「HOTEL NID」として、春吉の街へ

建築を設計するとき、建物が完成することだけがゴールではないと考えています。

実際に人が訪れ、泊まり、食事をし、時間を過ごす。

そうした日々の積み重ねによって、設計した空間は少しずつその場所らしい建築になっていきます。

9月末のプレオープンを経て、HOTEL NIDは2026年10月8日にグランドオープンを迎えます。

春吉という福岡の中心部にありながら、建物の中ではゆっくりと過ごすことができる。

そんな場所として、多くの方に利用していただければ嬉しく思います。

設計、工事監理、そしてFF&E工事まで、長期間にわたって関係者の皆様と一緒につくり上げてきたプロジェクトが、無事に完成を迎えることができました。


これから実際に多くの方に利用していただき、HOTEL NIDが春吉の街の風景のひとつとして根付いていくことを楽しみにしています。


福岡春吉HOTEL NID HOTEL CAFEロゴサイン
HOTEL NID サイン:2026年10月8日にグランドオープンを迎えるHOTEL NID。

HOTEL NID2026年10月8日 GRAND OPEN

企画運営・デザイン設計監理:株式会社7garden

建築設計監理:戸田浩平建築設計事務所

構造設計:有限会社 KAZU設計

施工: 有澤建設株式会社



HOTEL NIDについて

HOTEL NIDの詳細・宿泊情報については、公式サイトをご覧ください。

HOTEL NID公式サイトhttps://nid.seven-garden.com/


福岡でホテル・宿泊施設の設計をご検討の方へ

ホテルや宿泊施設の設計では、デザインだけでなく、宿泊者の動線、運営方法、法規、設備、施工性、コストなど、さまざまな条件を総合的に整理することが重要です。

戸田浩平建築設計事務所では、建物のデザインと機能性のバランスを大切にしながら、計画・設計・確認申請・工事監理まで対応しています。

ホテル・宿泊施設をご計画の際は、お気軽にご相談ください。

 
 
 

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