福岡・春吉「春吉HOTEL PROJECT」が竣工を迎えました
福岡市春吉で進めてきた「春吉HOTEL PROJECT」。
前回の記事では、足場が外れ、内外装工事が最終段階に入った現場の様子をご紹介しました。
その後も仕上げ工事や設備工事、外構工事などが進み、7月末に建物の竣工検査を行いました。
計画から工事監理まで長く携わってきた建物が、いよいよひとつの大きな節目を迎えました。

外観から客室まで、完成した建物を確認
竣工検査では、建物の外部から客室、共用部、水まわり、設備などを順番に確認していきます。
図面通りに施工されているかという確認はもちろん、仕上げの状態や建具・設備機器の動作、各部の納まりなど、実際の建物を見ながら一つひとつ確認します。
設計監理における竣工検査は、単に「工事が終わったこと」を確認するためだけのものではなく、
設計時に考えてきたデザイン・機能性・安全性が、実際の建物として適切に実現されているかを最終確認する重要な工程です。

落ち着きと温かみを感じる客室空間
前回の記事では、施工途中だった客室をご紹介しました。
工事が進み、木目を活かした壁面や落ち着いた色調の仕上げ、照明などが組み合わさり、ホテルとしての空間が見えてきました。
アースカラーを基調とした空間に木質の素材を取り入れることで、都市型ホテルでありながら、宿泊される方がゆったりと過ごせる落ち着いた雰囲気を目指しています。
大きな窓からは春吉の街並みを望むことができ、自然光が室内へ入ります。

前回ご紹介した通り、2〜7階には36㎡の客室を各階2室、8階には70㎡を超えるペントハウスを計画しています。

特にペントハウスでは、大きな開口部と吹抜け状の空間構成によって、通常の客室とは異なる開放感のある滞在空間となっています。
水まわりもホテルでの「滞在体験」のひとつ
今回の竣工検査では、客室だけでなく洗面・浴室などの水まわりについても確認しました。

大判の石調仕上げをベースに、木質の洗面台とブラックの水栓を組み合わせ、客室と同様に落ち着いた色調でまとめています。
洗面スペースから浴室、その先の窓へと視線が抜けることで、水まわりにも広がりを感じられる構成となっています。
ホテルでは客室そのものだけでなく、浴室や洗面、照明、家具なども含めたすべての空間が、宿泊される方の体験につなることを意識し、設備としての機能性だけでなく、客室から水まわりまで一貫した空間として感じられることを大切にしています。

1階カフェも完成へ
前回の記事でご紹介した1階のカフェも、空間の全体像が見えてきました。

赤褐色のタイルや木製建具など、建物全体のアースカラーを引き継ぎながら、ホテルの入口として温かみを感じられる空間を目指しています。
このカフェはホテル宿泊者だけの場所ではなく、地域の方にも気軽に立ち寄っていただき、ホテルと春吉のまちをつなぐ場所となることを期待しています。
設計者として大切にした「全体の統一感」
今回のプロジェクトで設計監理を通して大切にしてきたことのひとつが、建物全体の統一感です。
外観、エントランス、カフェ、客室、水まわりと、それぞれに異なる役割があります。
一方で、木質素材やアースカラー、石調素材、ブラックのアクセントなど、素材や色彩の方向性を共有することで、ホテル全体としてひとつの世界観を感じられるようにしています。
建築では、一つひとつの材料やディテールだけを見るのではなく、完成したときにそれらがどのようにつながって見えるかを考えることが重要です。
竣工検査でも、図面との整合だけでなく、そうした設計時に意図した空間が実現できているかという視点を持って確認を行いました。
建物の完成から、ホテルのグランドオープンへ
建築工事としては、今回の竣工検査で大きな節目を迎えました。
しかし、ホテルとしてはここからもう一段階、空間が変化していきます。
今後はFF&E工事へと進み、家具や備品、装飾などが加わることで、実際に宿泊者を迎えるホテルとしての空間が完成していきます。
そして、10月初旬のグランドオープンを予定しています。
建物が完成し、家具が入り、人が訪れ、実際に使われ始めることで、設計してきた空間が本当の意味で動き始めます。
グランドオープン後には、家具や備品が入り完成したホテルの様子も改めてご紹介したいと思います。
企画運営・デザイン設計監理:株式会社7garden
建築設計監理:戸田浩平建築設計事務所




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